「永遠の野原」

逢坂みえこ というひとの漫画を読んだのは
確かぶーけ とかいう太いコミック雑誌がはじめてだったと思う。
昔は少女達はおおまかにまず「りぼん派」か「なかよし派」に分かれて
その後 進んだ中学によって 購読する雑誌の好みが多様化していく。
特にお嬢様が多い私立の女子中学校に行った友達はみんな
既に漫画からアニメ 同人誌の世界にどっぷり浸っていって
逢ったときには もう「キャプテン翼」のパロディものに
夢中だったりするのであるが、
私のように普通の公立中学校へ進んだものとしては
「キャプテン翼」はやはり男子が教室で廻し読みしている少年漫画でしかなかったし
アニメに多少くわしいだけで、「オタク」だなんだのとあだ名がついてしまうので
自分の好みの少女漫画は、世間一般の本屋の店頭で売られている
青春少女漫画雑誌を購入するものだった。
そのなかでも 「フレンド派」や「マーガレット派」へ多少分かれていくんだけれども
多少恋愛を抑えてSFの薫り漂う「LaLa」と「ぶーけ」が私の好みだったが、
当時はそれも少し一般路線からみればオタクに近く
余り話の合う友人には出会えなかった。
なので 一応フレンドとマーガレットも話のタネに毎号抑えておきながら、
本命のぶーけとLaLaを購入するのは 金銭的にも大変で
やりくりに苦労していた覚えがあるけれど
それでも好きだったのは、ぶーけに逢坂みえこありきだったからではないだろうか。
特にこの永遠の野原に出てくる「みかん」という犬の
雑種ならではの卑屈さというか 悲哀のまなざしというか、
そういったものに ひどく心を打たれてしまったものである。
逢坂みえこさんの作品はどれも、今読んでもおもしろいと
過不足なく味が出てくる物語だと私は思う。
登場人物がみんな何かを抱えていて、それを表に出すとき、
出せないとき、その葛藤と諦めが 全体的に暗いんだけども
そこにぱっと挿して 人間がはっとさせられる
みかんの無邪気な瞳、成長のつめあと。
主人公の恋はちゃんと花咲いて、ちゃんとしぼんでいくんだけど、
目の前を成長していくみかんに比例するように
その恋の終わりををとおして成長して
いろんなことを諦める、置いてくる。
子供ながらに 諦める ふと笑う、小さな命が転げまわって
生きているのを見つめる、感傷にひたる、
それが大人になるということなのか
それが大人な視線でペットを飼うということなのか と
色んな発見をした。

時々巻末に出てくる作者の昔の物語には
やっぱり飼っていた犬のことが出ていて
ああ、この子とのこの話がこんなモチーフになったんだな と
思わせるものがある。
子供の私には ペットはただ好きで置いておきたい がまず動機で
大切にするとか、ペットの気持ちを考えるとか
そこに 人間との共通点がある とか
そういうことを具体的に考えたことがなかった。
でも 犬には犬の世界があって、気持ちがあって、優しさがあって、
好き嫌いがあって、そういうものなんだと
みかんを通じて初めてわかったし、
それを知った以上むやみに飼えなくなってしまったのも事実。

なんて、そんなみかんの愛くるしい仕草と
一姫と二太郎の姉弟が中心となる 物語。
私は好きなのは純朴そうな太君だったけど
途中で家庭教師の先生と寝ていたことがわかってショックだったー。
急にクラスの男子は結構みんな裏で知らない女性と経験してるんじゃないかと
あの頃はどきどきして見てたっけ。

永遠の野原は豪華版も出てるみたいなんですけど
古本屋でもよく売っています。
私も古本屋よく利用するのですが
ほとんど売りに出してるコミックスのなかで
この本は大判で綺麗なこともあって
まだ売る気になれなくて 本棚にはいったまま。

見所はどこでしょう、家かな。
大きな家に住んでるんです この姉弟、その木造の家が
とっても素敵。
みかんが すごくちいさい犬に見えて
記述はないのですが あの家に包まれた感で
みかんが実はすごく幸福そうに見えるようになっています。



小説家の姉・一姫と家事を切り盛りする高校2年の弟・二太郎。昔飼っていたカキを亡くして以来2人で過ごしてきた古屋家に、子犬の“みかん”が加わった!! しかし人間不信の気があるみかんに二太郎の苦戦の日々が続き!? 2人と1匹の暮らしを描く人気シリーズ!!
















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